大会名誉顧問 長嶋 茂雄 氏
(東京讀賣巨人軍終身名誉監督)

第4回世界身体障害者野球日本大会

《日時》
2018年9月1日(土)~2日(日)

《会場》
G7スタジアム神戸

《名誉顧問》
長嶋 茂雄 氏

《参加国》
日本
アメリカ
大韓民国
台湾
プエルトリコ

《試合形式》
総当たり戦

世界身体障害者野球日本大会第4回大会が、再びここ兵庫県で開催される運びとなりましたことを心からお慶び申し上げます。
2014年の第3回大会と同じように大会開催に向けてひたすら、努力されて来られた関係者の皆様の意欲と情熱に改めて敬意を表します。
野球は2年後に迫った2020年の東京オリンピックで3大会ぶりに正式競技に復帰しました。
パラリンピックに参加出来なかったことは大変残念ですが、世界が注目するオリンピックで野球と言うスポーツが多くの方々の目に留まり、更に関心が高まることを期待しています。何れ、身体障害者の皆さんがパラリンピックでプレーする日が来ることを強く願っております。
今回の大会に参加される皆さんはこの日のために日頃から大変な工夫と努力をされてきたことと思います。
アメリカ、プエルトルコ、韓国、台湾そして日本の5か国が集う大会で、ひとつでも多く勝って帰りたいと各チームの選手諸君は考えて来ているはずです。
スポーツとして野球と取り組むうえで最も大切なのは、勝ちたいと言う強い意欲です。
選手一人一人が「勝つためにベストを尽くす」と考える。
日頃の鍛錬の中で自分が出来るベストと思う技術を見つけ出す、チームで戦うスポーツですからチーム全員が一緒になって、勝とうと言う意欲を掻き立てる。
そうした思いが勝利への基本となるでしょう。
野球と言うスポーツの更なる発展のため、大会に臨む選手たちを始め、この日に備えて大会をサポートされてきた関係者の皆さんに感謝します。
第4回大会が成功裏に展開することを願っております。

不死鳥ジャパンはよく戦った

カラーガード隊が選手団をお迎えし、先頭の日の丸が入ってきました。
天候が心配されましたが、開会式直前に雨もあがりエスコートキッズの少年野球の選手たちと手を取り合って各国の入場行進が華やかな開始です。
ブラスバンドのファンファーレが高らかに天空に鳴り響き、カラーガードの旗が選手達を迎え、前回王者のアメリカも入場すれば、いよいよ試合開始。
JAPANの躍動です。

一日目は波乱の試合展開。
開会式直後の日本ー台湾戦は、日本が1点を先取したがすぐに追いつかれピンチが続く、投手交代かと思われたが水越投手で続行、監督の信頼が窺えます。見事に期待に応えて終盤に相手内野の乱れを突き逆転!

続くプエルトリコー韓国戦は、やはりカリブの王者が強い!韓国を寄せ付けず。
前回王者のアメリカは初回の満塁のチャンスを逃すと一気に試合の流れが変わり、台湾が初めてアメリカを破り、抱き合って喜びます。

日本は第2戦の韓国戦は湯澤投手が好投し、韓国を完封。
アメリカは敗戦のショックから立ち直れず、続くプエルトリコにも猛打を浴びて大敗。野球は本当に怖いと感じる瞬間。
夜のウェルカムパーテイーでもアメリカは反省会と明日の試合の準備でいっぱいの様子、1m90cm以上の大男たちが今夜は少し小さく見えました。

突然のアメリカの乱調で一日目を終わり、二日目は日本―プエルトリコ戦はお互いが全勝の対決。
初回にプエルトリコは無死1塁となるが、日本の固い守りで0点で乗り切ります。
先発の早嶋投手もほっとして汗をふきベンチに戻り、先取点を狙い、思わぬ死球などで1塁3塁のチャンス。
相手投手の速球を見事に4番影井選手が三遊間のタイムリー、この1点で日本は波に乗りプエルトリコに打ち勝ちます。

早嶋投手も1点を取られた後は完全に立ち直り猛打を沈黙。さすが日本のエース!
日本代表は最終のアメリカ戦にも影井投手がピシャリと抑えて完封。
打線も田中選手を中心に良い場面でタイムリーが出て投打に好調でした。

見事JAPANが世界一に輝きました。

 スタンドからはウェーブで一体感

プエルトリコも強かった!

(JAPAN代表監督 岩崎氏)

今大会は短期決戦のむずかしさを痛感した大会だった。
特に初回に流れをつかむのと逃がすのでは大きく展開が変わる。
何が勝敗を分けたのだろう。やはり投手力ではないかと思われる。
日本代表の投手は全員コントロールが良くて「絶対に勝つんだ」という意識も高かった。何よりチームワークが良くて試合中も楽しそうだった。
加盟1,000人の中から選びぬかれた選手たちはレベルが高く、特に若い選手たちが活躍した。これが何よりうれしい。
リーグの未来がとても楽しみだ。
日本代表は安定した力で全勝優勝し「強い日本」を内外に示した。全員を出場させ、なおかつ「勝ちきった」采配もめでたし。

社会的にも意義のある大会を、多くの皆様方のご支援とご協力により開催できましたことを心より御礼申し上げます。
沢山の皆様のやさしさを積み上げた大会として、世界中の人々の笑顔が舞う大会となりました。
多数の皆様の大会へのご声援に心より御礼申し上げます。